自然療法と西洋医学による治療は両立しない

愛知県にあるプライベート鍼灸サロン
治療室のぞみ
上田です。

今回は西洋医学と自然療法の違いです。

長年つづく不快な症状を根治させるのに、病院の治療と自然療法は両立できません。

病院の治療を受けながら自然療法も並行したら良いんじゃないか？と思ってる人もいると思いますが、病院の治療を受けながら自然治癒することは、まず無いと思ったほうがいいです。

西洋医学と自然療法では、考え方もアプローチの仕方も違うんです。

西洋医学と自然療法、それぞれの考え方は？

西洋医学は「症状＝危険なもの」としてみます。
自然療法は「症状＝治癒するためのプロセス」としてみます。

視点がまったく違うんです。

西洋医学は症状を抑えたり、悪い箇所を切り取って無くしてしまうような処置をおこないます。
不快な症状と目の上のタンコブさえ無くなりゃ目的は達成されます。
患者さんも悪い腫瘍を切り捨ててほしいと思ってるし、不快な症状が無くなることを求めるので、根治しなくても不快な症状さえ感じなければ、ほぼ満足なのではないでしょうか。

でもこのやり方は治癒ではなく寛解したにすぎない。
悪く言えば「臭い物に蓋」をしているだけ。
不快の火種に蓋をしているだけで、火種は奥底でくすぶり続けている。
これが何十年もかけて全身に広がり、気づいた時には元に戻れなくなっている。
こうなっている人は少なくないんじゃないでしょうか？

自然治癒は症状を止めたりしないんです。
逆に症状を出させるのです。
治癒する過程には必ずと言っていいほど、山あり谷ありで症状が増減したりするものです。

分かりやすいのは風邪。

風邪を治す一番早い方法は。
一気に熱を出しそれを止めない。
熱は免疫が頑張っている証拠。
喜ばしいことなんです。
あとは水分とミネラルを摂って、しっかり骨休みする。
そして自分自身が風邪菌に打ち勝つのを待つ。
きっと次の日には熱も下がっている事でしょう。

いまだに風邪で熱を出すと、解熱させようとする人がいますが、これが一番治らずズルズル長引くやり方。熱は体が必要としているから出しているのであって、薬で止めてしまったら不快な症状は軽減しますが治癒は先へ延ばされます。このことが理解できないと自然療法はやれないのです。本当の意味での治癒を目指したいなら、この辺は必ず理解する必要があります。

最後に西洋医学は絶対に必要です。
私は西洋医学を否定しているわけではありません。
西洋医学が得意とする怪我や急性疾患の時は迷わず病院に行きます。
血がドボドボ出てるのに自然療法するなんてありえません。
血管が詰まって死にそうな時に、じっくり時間かけて自然治癒してたんじゃ治る前に死んじゃいます。西洋医学は、折れた切れた破れたなど、怪我の修復や瀕死の人を助けるのは得意なんです。こういう時こそ利用すべきです。

ただし西洋医学は慢性疾患に関して得意じゃないです。
治ったように見えるのは症状を抑えているから。
だから「一生飲んでくださいね」といって薬を出されるわけです。
薬を飲んでいないと不快な症状が出ちゃうから。
検査数値が正常値から外れてしまうから。

どっちを選ぶか？

代替医療（自然療法）の場合は、治癒していく過程でいったん症状が酷くなることがある。
必ず根治はするものの、５年程度の月日を要するので覚悟と努力がいる。
それでも「治りたい」と思う場合は自然治癒を目指しましょう。

一般の病院の治療は、不快な症状は早くに落ち着くことが多い。
自分の努力はあまり必要としないから楽。
でも根治は無い。
症状が出るのが絶対に嫌、薬でも手術でも直ぐに苦痛から解放されたい。
それでいいのであれば、デメリットを承知の上で、病院の治療を受ければいいでしょう。

選択肢は自分にあります。
どちらを選んでも自分に責任を持てればいいのです。
納得をして決めたのなら、何があっても後悔は無いでしょう。

という事で、自分の抱える体の問題は、病院の処置がいいのか、自然療法的に代替医療の方がいいのか、しっかり見極まることがだいじです。

あと実際に体に異常が出ている場合、西洋医学の検査は正確に見つけ出せます。
心配な人は、とりあえず検査を受けてみる方がいいでしょう。
何か異常があったら、その時点でどの治療を行うか決めればいいし、異常が無ければ、そこで代替医療を選択すればいいのです。

今日はここまでにしておきます。