妊娠を成立させるための５つのプロセス

治療室のぞみです。

本日も不妊についての話しです。

今日は妊娠が成立する５つのプロセスについて書きます。

１、卵子
２、排卵
３、卵管
４、着床
５、精子

これら全てが健全であれば不妊に悩むことは無いでしょう。
もし授からないのなら５つのどこかが健全ではない可能性があります。

健全ではない理由を少し詳しく見ていきましょう。

１、卵子は数の問題よりもクオリティーが大事

卵子は数よりもクオリティーが維持できているかが大事です。
クオリティーを保つのに必要なのはエネルギーです。
生殖機能に限らず肉体は健全性を保つため常に新陳代謝が行われます。
そして、どこかに問題が生じれば体が勝手に修復しますが、この時に必要なのがエネルギーです。
この新陳代謝や修復作業はエネルギーが十分にあってできるもの。
エネルギー不足の状態では母体の基礎代謝は上がりませんし修復作業も滞ります。

２、排卵は関係器官の連携とホルモン分泌でコントロール

排卵のタイミングは脳や卵巣など関係する内分泌器官が連携し、排卵のタイミングなどをコントロールしています。れらの作業にもエネルギーが必要です。
また、ホルモンの合成にもエネルギーが必要なため、エネルギー不足はホルモンの合成にも悪影響。
ホルモン分泌の悪さが排卵のタイミングなど支障をきたしても不思議ではありません。

３、卵管の詰まり

不妊の原因の３０～４０％が卵管の詰まりと言われています。
クラミジア感染症など細菌感染による卵管の炎症が多いとのこと。
クラミジアは珍しい菌ではなくどこにでもいる菌だそうで、健康な人なら感染しても無症状か、気づかぬままに治ってしまうこともあるそうです。
このような人は、元々エネルギー代謝が高かった人と言えますね。
卵管が詰まるほどの炎症を起こしている人は、元々が炎症しやすい体の状態にあります。
こうなってしまう理由もエネルギー不足が根底にあるからです。

４、受精卵の着床は子宮内膜の状態しだい

子宮内膜は毎月の月経が健全に行われていることが大事です。
元々毎月の月経が不安定にある人は、着床に適した内膜の状態になっていないのかもしれません。
月経不順は生活環境や生活習慣、食習慣の結果起こるものです。
エネルギー代謝が上がらない食習慣や、無駄にエネルギーを消費するようなストレス環境にあるのなら、それらを改善しエネルギー量が増える習慣を作っていけば安定もしてくるでしょう。

５、精子の問題は男性側の健康問題

現代の若者は昔の若者と比べ、精子の数や質が落ちているのはご存知でしょうか？
これは生活環境や生活習慣の変化、偏った食習慣で起こったと言えます。
喫煙、飲酒、過度のストレスは精子の質を低下させます。
また、環境毒や添加物なども関係してくるでしょう。
ただ、体に悪い環境にある人でも、精子の質には影響が出ない人もいます。
そういう人は元々エネルギー代謝が高かったのでしょう。
違いは健康状態によるエネルギー産生量の違いではないでしょうか？
エネルギーが十分にあれば、喫煙や飲酒の悪影響を軽減することができますし、ストレス耐性にも強く、精子にも影響が出にくいと言えます。

病院での検査や処置は侵襲的であったりし、心身に過剰なストレスを与えている可能性があります。
エネルギーの少ない人は、この時に受けたストレスによって更にエネルギー量が枯渇します。そのため、妊娠に必要なエネルギーは更に減ることになり、エネルギー不足によって授からない状態が続く可能性が否定できなくなります。

不妊検査や不妊治療をしたとしても、同時に自身のエネルギー産生力も上げておく必要があります。
妊娠も病気や怪我の治癒も、全て十分なエネルギーがあって初めて成立するものだからです。

不妊治療で妊娠する確率は、体外受精で約２０％、タイミング療法で約５％くらいと言います。
この手のデータは多く見積もられることが多いので、実際にはもっと少ないのではと思っています。

少ない確率ではあってもタイミング療法や体外受精で妊娠できた人も居るわけで、それは病院が良かったわけでも医師の腕が良かったわけでもないと思うのです。
エネルギー代謝が良かったからだと思っています。

逆に妊娠できなかった人は、エネルギー代謝が極端に低い状態にあったためではないでしょうか？
いくら現代医療であの手この手を使ったとしても、母体のエネルギー産生量が少なければ、妊娠の成功率も低くなると思われます。

妊娠しにくさの根底にはエネルギー不足があるという事が分かるのではないでしょうか？

本日は以上です。