高血糖の健康と美容への影響: あなたの体に与える影響とは？

前回、血糖値が下がらない本当の理由は？
「糖」ではなく「油」ですよ！
という話しを書きました。

血糖値が下がらない理由を最初に書いておきます。

血糖値が下がらない本当の理由とは？

血糖値が下がらない原因を最初にお伝えします。

「糖をエネルギー源にしているときは、脂質はエネルギー源として使えない。」
「脂質をエネルギー源にしているときは、糖をエネルギー源として使えない。」

なぜだか分かりますか？
糖と脂質は生命活動に不可欠なエネルギー源ですが、どちらを主に使うかによって健康状態が大きく左右されます。これを理解すると、高血糖や糖尿病の原因がより明確になります。

エネルギーの基礎：三大栄養素

生命活動にはエネルギーが必要で、それは以下の三大栄養素から作られます。

糖質（最も基本的なエネルギー源）
脂質（主に体の構成要素として使用）
タンパク質（体の構成要素がメイン）

これらすべてがエネルギー源になりますが、どれを主に使うかで健康状態が異なります。

糖質はクリーンなエネルギー

糖質は、代謝しても老廃物をほとんど出さず、効率よくエネルギーを作り出します。

脂質・タンパク質は「排ガス」を出す

一方で、脂質やタンパク質はエネルギーを作る際に老廃物を生じます。これは車の排ガスのようなもので、長期間にわたると体に負担をかけます。

通常、脂質やタンパク質は体の構成要素として利用されます。しかし、糖質が不足すると（飢餓状態や糖質制限時など）、体は代替エネルギーとして脂質やタンパク質を利用するようになります。

糖をエネルギー源にできる人とできない人

健康な人は糖をエネルギー源にしているため、血糖値は適切にコントロールされます。
一方、高血糖の人は糖をうまくエネルギーとして利用できず、血糖値が高い状態が続きます。

では、エネルギーをどこから作っているのか？
糖を使えない場合、脂質（油や中性脂肪）やタンパク質をエネルギー源として使わざるを得ません。その結果、代謝のたびに老廃物が発生し、体に負担をかけることになります。

血糖値が下がらないのは「ランドルサイクル」の影響

血糖値が下がらない理由は、体のエネルギー代謝に関する仕組み「ランドルサイクル（Randle Cycle）」によるものです。

「糖をエネルギー源にしているときは、脂質を使えない。」
「脂質をエネルギー源にしているときは、糖を使えない。」

これは1963年に医学誌「ランセット」で発表された仕組みで、すでに60年以上前から知られています。

高血糖の人は糖をエネルギーとして利用できず、脂質を主に使っている状態です。
そのため、食事で摂った油や蓄積した中性脂肪をエネルギー源として利用し続けることで、ますますランドルサイクルが強化され、糖を利用しにくくなってしまいます。

「糖質制限」がさらなる悪循環を生む

血糖値を上げないために炭水化物を減らし、甘いものを控える人が多いですが、これがさらに悪循環を引き起こします。
糖が不足することで、脂質やタンパク質をエネルギー源として使う比率が高まり、老廃物の発生が増え、体に負担がかかります。
この状態が長く続くと、最終的には大きな病気を引き起こすリスクが高まります。