糖からエネルギー(ATP)が作られるしくみ|体のエネルギー代謝の基礎知識

糖からエネルギーが作られるまでのしくみ

私たちの体はおよそ37兆個の細胞で構成されていると考えられています。
それぞれの細胞が働くためには「ATP(アデノシン三リン酸)」というエネルギーが必要です。

食事から摂った栄養素は消化・吸収されたのち、細胞内でATPへと変換されます。

エネルギー源となる主な栄養素は次の3つです。

  • 糖質
  • 脂質
  • たんぱく質

このうち糖質は、体内で比較的速やかに利用されるエネルギー源です。


エネルギーはどこで作られるのか?

ATPは細胞内で段階的に産生されます。

  1. 解糖系
  2. クエン酸回路
  3. 電子伝達系

解糖系で代謝され(1)→その代謝産物がミトコンドリア内でクエン酸回路を回す(2)→そして電子伝達系で代謝されてるという流れです。


① 解糖系(細胞質)

ブドウ糖はまず細胞質で分解されます。
この過程では酸素を必要とせず、2ATPが作られます。

この時に生成される物質が
「ピルビン酸」です。


② クエン酸回路(ミトコンドリア)

酸素が十分に供給されている場合、
ピルビン酸はミトコンドリアに入り、
さらに代謝が進みます。

ここで二酸化炭素が発生します。


③ 電子伝達系

最終段階では電子が受け渡される反応が起こり、多くのATPが作られます。

現在の生化学では、
ブドウ糖1分子から約30~32ATPが産生されると考えられています。


糖質の種類と吸収

糖質は消化の過程で最終的に単糖へ分解されて吸収されます。

単糖類

  • ブドウ糖
  • 果糖
  • ガラクトース

多糖類を分解した時の糖の最小単位。

単糖はこれ以上分解する必要がないため、
多糖類に比べて消化工程が少ないという特徴があります。

二糖類

  • ショ糖(砂糖)
  • 乳糖
  • 麦芽糖

ショ糖はブドウ糖+果糖。
乳糖はブドウ糖+ガラクトース。
麦芽糖はブドウ糖+ブドウ糖。

一度消化酵素で分解すれば単糖になります。

二酸化炭素と酸素の関係

エネルギー代謝が進むと二酸化炭素が生じます。

この二酸化炭素の存在により、血液中のヘモグロビンから酸素が組織へ放出されやすくなります。
この現象は「ボーア効果」と呼ばれます。

エネルギー代謝と呼吸は密接に関連していることが分かります。

だから昔から体を整えるための方法のひとつに呼吸法があるのですね。

二酸化炭素 CO2

代謝は個人差がある

エネルギー産生の効率は

  • 栄養状態
  • 酸素供給
  • ミトコンドリア機能
  • ビタミン・ミネラルの充足

などによって変わります。

同じ食事をしても、体内で作られるエネルギー量には個人差があるのです。

そして、先ほど示したように解糖系からクエン酸回路に進むには、酵素の働きが必要で、ここの働きにも個人差があるため、作られるエネルギー量には差が出てしまうのです。


まとめ

糖質は体内で段階的に分解され、
最終的にATPというエネルギーとして利用されます。

エネルギー代謝は

  • 糖質
  • 酸素
  • ミトコンドリア機能

が連動して成り立っています。

体の仕組みを理解することは、
毎日無意識にやっている呼吸や食事など、
生活習慣を考えるうえでの土台になります。