前回の記事で、糖がエネルギーになるまでの流れについて書きました。
今回はその続きとして、
なぜ人によってエネルギー産生力に大きな差が出るのか
その理由を、もう一歩踏み込んで考えてみます。
エネルギーは、合理的に作られる
体はとても合理的です。
食事から摂った栄養素を、
その時の状況に合わせて、
もっとも効率のよい形でエネルギーに変えようとします。
無駄なものはできるだけ省き、
必要なところに必要な分だけ回す。
エネルギーに満ちている人は、
この仕組みがうまく働いています。
一方で、
いつも疲れている、
気力が湧かない、
体調が安定しない。
そうした人は、
エネルギー産生が合理的に行われていない可能性があります。
エネルギー産生力の差は、
日常の中に静かに表れます。
例えば、
・回復が早いか遅いか
・行動量が自然に多いか少ないか
・ストレスの影響を受けやすいかどうか
こうした違いは、
気合や性格だけでは説明できません。
エネルギー産生力の差は、日常の中に現れる
エネルギー産生力の違いは、
日常のさまざまな場面に表れます。
- 新陳代謝
- 体温
- 行動量
- 回復の早さ
- ストレスへの反応
これらはすべて、
「気合」や「性格」だけで説明できるものではありません。
体の中で、
エネルギーがどう作られているか。
その結果が、外ににじみ出ているだけです。
多くの人が、慢性的なエネルギー不足にある
私の感覚では、
本当にエネルギーに余裕がある人は、全体の2割程度。
6割は「普通」、
残り2割は明らかなエネルギー不足。
これは統計ではなく、
日々人と接してきた中での実感です。
周りを見渡してみれば、
いつも疲れていて、
心も体も余裕がなく、
調子を崩しやすい人が、決して少なくないはずです。
何がエネルギー産生を左右するのか
エネルギー産生力の違いは、
生まれつきや性格だけでは決まりません。
大きく影響するのは、
日々の食習慣です。
ここで、
前回の記事の内容を簡単に振り返ります。
食べる
→ 消化・吸収
→ 解糖系
→ ミトコンドリア系(クエン酸回路・電子伝達系)
解糖系では2ATP、
ミトコンドリアでは30以上のATPが作られます。
つまり、
エネルギーを大量に生み出す主役は、
ミトコンドリアです。
ミトコンドリアが回らない理由
エネルギー不足を感じやすい人は、
ミトコンドリア系の代謝がうまく回っていません。
その理由は、
糖が足りないからではありません。
ポイントになるのは、
- 酸素
- ピルビン酸脱水素酵素
この二つがそろわなければ、
ミトコンドリアは本来の働きをしません。
栄養があっても、
条件が整わなければ、
エネルギーは作れないのです。
ミトコンドリアを止めているものの正体
では、
なぜこの条件がそろわないのか。
その大きな要因の一つが、
多価不飽和脂肪酸です。
多価不飽和脂肪酸は、
酸素の利用や、
ピルビン酸脱水素酵素の働きを妨げます。
結果として、
ミトコンドリアでのエネルギー産生が止まる。
糖はあるのに、
エネルギーに変換されない。
この状態が続けば、
体がエネルギー不足に陥るのは自然な流れです。
糖が悪いわけではない
この仕組みを理解すると、
「糖が悪い」という話が、
いかに短絡的かが見えてきます。
問題は糖そのものではなく、
糖を使えない体の状態です。
にもかかわらず、
糖質制限で対処しようとすれば、
さらにエネルギー産生は歪みます。
その結果、
別の形で代謝が行き詰まる。
これは、
多くの人が無自覚に陥っている悪循環です。
だから、エネルギーは戻らない
エネルギーが出ない人ほど、
頑張ろうとします。
食事を減らし、
我慢を重ね、
無理に動こうとする。
しかし、
エネルギー産生の仕組みが壊れたままでは、
何を足しても、何を引いても、
本質は変わりません。
まず見るべきなのは、
体の中で何が起きているのか。
そこから目を逸らしたままでは、
エネルギーは戻らないのです。
色々と賛否はあるでしょう。
それでも私は、
この視点が欠けたまま健康を語ることに、
強い違和感を持っています。
ここまでが、
私の考えです。

