紅麹の問題からコレステロールについて考える

愛知県江南市の「治療室のぞみ」です。

やっと春の陽気が訪れました。

さてさて、最近連日のように報道されている某サプリ。

すごいことになっていますね。

コレステロールを下げるサプリなんだとか？

私からしたらコレステロールを下げたがる意味がよく分からない。

コレステロールは世間からすれば「悪」だからでしょうか？

よく言われてますよね？

悪玉だ！
血管が詰まる！
LDLはダメHDLはOK！

散々な言われ様です。

病院で検査で数値が高いと言われるんじゃないですか？

「LDLが高いですね。お薬服用してください」

このように言われるかは知りませんが、薬が出されることになるのでしょう？

実際にコレステロールの薬を服用している人は多いですし、服用していなくてもコレステロール値が上がらないようサプリで、と考える人も多いのでしょう。

でも、コレステロールは人体にとってなくてはならない物質なのです。

しかもかなり重要。

製薬会社のHPを見ても書いてあります。

コレステロールや中性脂肪は、悪者にされがちです。

しかし、コレステロールは髪や皮膚を滑らかにし、細胞を包む細胞膜・ホルモン・脂肪の消化吸収を助ける胆汁酸の原料となっているのです。
コレステロールが足りないと、肌や髪はパサパサになったり、細菌に感染しやすくなるばかりではなく、血管の細胞が弱くなって脳内出血などが起こりやすくなります。また、善玉コレステロールには、余ったコレステロールを肝臓に戻す役割もあります。・・・増え過ぎると困りますが、なくてはならない重要な役割を担っています。

大正製薬　生活習慣ケアコラム

書いてありますね。
体の構成要素でありホルモンや胆汁酸の材料って。

なんでも過剰はよくないですが、安易に下げていいものでもありません。

コレステロールは勝手に増えたり減ったりするものではなくて、体が必要に応じて肝臓で合成するものです。

必要だから作っている
必要なければ作らない

コレステロール値が高いのは食事が原因と考える人もいますが、食事から摂取されるコレステロールは全体の20％〜30％程度で70％〜80％は体内で合成されています。

７〜８割が体内合成と言うことは、体が必要だから作ったと言うことです。

無意味に合成することはないのです。

悪く言われるばかりのコレステロールですが、一体どんな重要な役目を持っているか見てみましょう。

ビタミンDの合成、ステロイドホルモン、胆汁酸

これらの材料です。
重要なものばかり。

もしコレステロール低下剤を服用しながら、ビタミンDのサプリを飲んでいたとしたら本末転倒な気がします。

こんな統計もあります。

コレステロール値が２００以下だと、50歳以上で認知症になりやすい。
コレステロール値が１８０以下だと、暴力行為が増える。

こういう事実というのはあまり知られていませんね。

今のコレステロール値の基準をみると・・・

LDLコレステロール	140mg/dL以上	高LDLコレステロール血症
	120～139mg/dL	境界域高LDLコレステロール血症
HDLコレステロール	40mg/dL未満	低HDLコレステロール血症

１４０以上で高コレステロール血症とされるらしい。

おったまげ〜！です。

もし病院の検査で「140以上あるからコレステロール低下剤を飲んでくださいね」と言われ、服用し続けていたとしたら・・・

認知症の人が多い理由がわかる気がしますね。
そしてやたらとすぐ怒る高齢者がいる理由もこれが原因か？

脳は体全体の２５％のコレステロールを占めている器官です。

コレステロールを意図的に下げた結果、アルツハイマーなどの認知症が増えたと言っても過言では無い気がします。

血圧の基準値と同じで、コレステロール値を低く設定することで、薬剤の売り上げを伸ばすという利権がらみの意図も当然あるんでしょうね。

製薬は儲かってますもんね。

LDLは悪くHDLは良い？

この根拠がよく分かりません。
LDLとHDLは役割が違うだけで善も悪も無いのです。

LDL：コレステロールを肝臓から全身に運ぶ役割。

HDL：コレステロールを全身から回収する役割。

LDLがコレステロールを全身に運ぶというのは、末梢組織でコレステロールが必要だからです。必要な物を人間の勝手な判断で悪者にするのはどうなんだ？

HDLがコレステロールを末梢から回収するのは、体内にあっては困る毒性物質を回収するためと言われます。

あまり知られていない様ですが、HDLコレステロールが高い人ほど、心臓血管疾患のリスクが高まるようです。

コレステロールの何が悪いのか？

動脈硬化でしょうか？

粥状動脈硬化とかアテローム硬化とか言われるやつです。

動脈内にコレステロールが沈着して血管が詰まるから良くないと言われます。

実は血管壁に溜まっているコレステロールは、通常のコレステロールではないことが分かっています。

コレステロールに酸化した脂肪酸が結合したエステル化コレステロールがその正体というわけです。

エステル化コレステロールは、通常のコレステロールとは別物です。既にコレステロールとしての機能は失っています。要は異物と化している物体。

動脈硬化やアテロームは、このエステル化コレステロールが問題なのですが、なぜかまともなコレステロールまでもが悪者にされている。

これは完全に冤罪だと思うわけです。

今回の事件はまだまだ被害が広がりそうな雰囲気です。

それだけコレステロール値を気にする人が多く、少しでも効くならとそのサプリを利用していたということでしょう。

たぶん、コレステロール低下剤だと副反応があるから、薬剤ではなく食品としてのサプリメントの方が安全だろうとチョイスしたのだと思います。

良かれと思ってやった事で逆に健康被害を被ったのでは、たまったものではありませんね。

本日は以上です。